初めてのお客様を前に、私は胸の奥で小さく震えていました。お客様もどこか緊張されている様子で、言葉が途切れ途切れに…。

不安そうなお客様を見て、私は気づきました。「あ…、お客様も私と同じなんだ」と。そして勇気を出して尋ねました。「緊張しますよね…？」

お客様は少しだけ笑顔を見せてくれました。その瞬間、私は心が少し軽くなりました。

休日に島田市の小さなカフェでお茶を飲んでいると、隣のお席のご年配の女性が話しかけてくれました。

私は地図や資料には載っていない、街の人の「ぬくもり」を初めて感じました。

帰り道、空を見上げて私は考えました。「人が暮らす場所を探すということは、ぬくもりを探すことなんだ」と。

ある雨の日、小さなお子さんのいるご家族と土地の見学をしました。ぬかるんだ道にお子さんが滑りそうになり、お母さんが不安そうな顔に…。

私は急いで周囲を確認し、「ゆっくり行きましょう」と声をかけました。するとご家族はホッとした笑顔に。その笑顔を見た時、私は気づきました。

「物件の良さは、晴れの日だけじゃ分からないんだ」と。

ある打ち合わせ中、お客様が申し訳なさそうに小さな声で質問されました。

その質問に丁寧に答えた時、お客様はふと涙ぐまれて、「ずっと気になっていたけど、聞けなくて…」と呟かれました。私はその瞬間、自分の未熟さに気づきました。「もっと早く気づいて、こちらから声をかけてあげられたら…」

土地の購入手続きが終わったある日、お客様からメッセージが届きました。「なるちゃん、もう相談できないと思うと寂しいです」。

その言葉を見て私は心がキュッとなりました。そして自然にこう返していました。「いつでもそばにいますよ。またお話しましょう」。

その時初めて、“人がそばにいる”ということの意味が分かった気がしました。土地や家選びは「終わり」ではなく、「始まり」なんだと。

ある若いご夫婦が、「将来子どもができたら…」と土地探しに訪れました。

私は漠然とした未来の話に戸惑いましたが、一緒に公園や保育園の場所を確認しながら想像してみました。するとご夫婦は嬉しそうに「なるちゃん、一緒に考えてくれてありがとう」と笑顔に。

その瞬間、まだ見えない未来も一緒に想像することで安心が生まれると感じました。